大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和62(さ)4 判決

主 文

原略式命令を破棄する。

被告人は無罪。

理 由

本件記録によると、高崎簡易裁判所は、昭和六一年八月一五日、「被告人は、酒

気を帯び、呼気一リツトルにつき〇・二五ミリグラム以上のアルコールを身体に保

有する状態で、昭和六一年五月二二日午後三時二五分ころ、群馬県群馬郡a町bc

番地の二先道路において、自転車を運転したものである。」との事実を認定し、こ

れに対し、「道路交通法六五条一項、一一九条一項七号の二、同法施行令四四条の

三、刑法一八条、刑訴法三四八条」を適用して、「被告人を罰金一万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金二〇〇〇円を一日に換算した期間(端

数は一日に換算する)被告人を労役場に留置する。被告人に対し、仮に右罰金に相

当する金額を納付することを命ずる。」との略式命令を発付し、右略式命令は、昭

和六一年九月四日確定したことが認められる。

しかしながら、右事実に適用された道路交通法(昭和六一年法律第六三号による

改正前のもの)一一九条一項七号の二によれば、酒気帯び運転の処罰の対象は、軽

車両を除く車両等であり、本件自転車は、軽車両に当たるから、右略式命令の認定

事実は、罪とならなかつたものといわなければならない。

そうすると、原略式命令は、法令に違反し、被告人のため不利益であることが明

白である。

よつて、刑訴法四五八条一号、三三六条前段により、裁判官全員一致の意見で、

主文のとおり判決する。検察官山口悠介 公判出席

昭和六二年一二月一日

最高裁判所第三小法廷

- 1 -

裁判長裁判官 安 岡 滿 彦

裁判官 伊 藤 正 己

裁判官 長 島 敦

裁判官 坂 上 壽 夫

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!